白木の寝る位置はベッドの右側の枕元。でも、左側の方が床におりやすい。ということはゲーっとなった時に、左に寝ていたほうがトイレに駆け込みやすい。なので、位置を変更してみる。一昨日の夜、お気に入りの毛布ごと左に移動させたらそのまま寝てくれたので昨夜もそのようにして寝た。そしたら、朝3時頃、頭上を歩いてベッドの右側に移動してきた。そこには私が寝てるので、白木が寝る余地はないのだけど、そこに無理に体を押し込んで丸まってわたしを見つめ、小さな声で「ヒィ〜ン・・・」と泣く。はいはい。どきますよ。ここは白木の場所でしたね。白木のこの「ヒィ〜ン・・・」という小さな泣き声に弱い。薬を飲まされる前にも「ヒィ〜ン・・・」、ご飯のおかわりが欲しい時も「ヒィ〜ン・・・」、窓の外が見たいのにカーテンをうまくくぐれない時も「ヒィ〜ン・・・」、お昼寝してる時にほおずりされた時も「ヒィ〜ン・・・」。そういえば以前、野球解説者の人が語っていたのだが、イチローは、どちらとも言えない球をストライクと判定された時に決して審判に抗議せず、黙ってバッターボックスを去るのだという。「いまのはボールだろうぐわぁ!」とか「どこに目をつけていやがるんだ!」とか食ってかかる大柄選手が多い中、静かに肩を落として去る小さな背中は審判の同情を買い、次にどちらともいえない球が来た時はボールと言ってあげたくなるらしい。白木の「ヒィ〜ン・・・」はまさにその“イチロー作戦”だ。「どけにゃぁ〜!」とか「やめろにゃぁ〜!」とか「はやくしろにゃぁ〜!」とか言われたら、うるさいなぁと思うんだろうけれど、白木の場合は「ヒィ〜ン・・・」なのだ。悲しそうなのだ。同情作戦、大成功なのだ。
“カワイイ作戦”もあるにゃ。
posted by inukaki at 20:00|
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