2013年10月13日

白木について。

[ウチに来た経緯]
白木は8才(推定)のとき、うちに来た。
それまで育ててもらったNさん家には他に猫が2匹いたのだけど、
白木はその二匹から猛烈ないじめを受けていたという。
そのせいで、性格も暗くなり、
人間にも寄ってこない陰気な猫になってしまった…
という話をたびたびNさんから聞いていた。
ある時、ふと、「白木をひきとりたい!」と言ったところ
「よろしくたのむ!」と言われたので、
猫可のアパートへ引っ越しを決意。

わたしは犬好きで、猫に興味を持ったことも、猫知識もなかった。
当然、「猫がほしい」「猫と暮らしたい」と思ったこともなかったのに、
なぜか「白木と暮らしたい」と思うように。
わたしにとっては、「運命の猫」、
白木にとっては大迷惑、、、だったに違いない。

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ウチに来たばかりの頃の白木。
携帯で遠くから撮影。お互いビクビク。



引越早々、白木を引き取りに行ったのが2009年6月28日。
ちなみに、それが白木とわたしの初対面。
更にちなみに、わたしが白木の姿を写真で見たのは
アパート契約の時に同居ペットの写真を提出する必要があったために
Nさんから画像を送ってもらった時。
白い猫だと思っていたらハチワレ模様だったことに、まず驚いた。
そのぐらいなんにも知らない状態だったのに
白木をひきとることに何の迷いもなかったのはどうしてなのか、
今思うと不思議。

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心は開いてなかったけれど、股は開いてはいた


[白木の名前の由来]
Nさん家ではピッピというかわいい名前だった。
Nさんのご主人が新橋の場外車券場「ラ・ピスタ新橋」の帰りに
ペットショップで買った猫だったので、
当初はラピという名前だったのだけど、
シッポをピンとたててお尻をピッピッと振って歩く姿から、
ピッピと呼ばれるようになったんだそうで。

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この写真を知人に見せたら
「美川憲一みたいだね」と言われた



ピッピはすくすくと成長し・・・
のはずが、なかなか大きくならなかったために、
Nさんのご主人が
「白木みのるみたいだなー」と言ったとか。
(“白木みのる”をご存知ないかたはネット検索してみてください)
実際、白木がウチに来る前に病院で体重を計った時は
3.5kgだったとか。
洋猫の雄でこれは相当小さいほう。

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首の段々が無い!


「白木みのるみたいに大きくならない猫がいてね〜」
とNさんに言われたのがツボにハマったわたしは、
ことあるごとに「白木、元気ですか?」などとたずねていた。


ウチに来て正式に「白木」と命名。
「ピッピ」も残しておきたかったので
正式名は 白木ピッピ でございます。

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「ペット用品」をどこで買えばいいのかさえわからず、
東急ハンズで買った爪研ぎ。



白木はペットショップで売られていた
スコティッシュフォールドという血統書付きの猫。
ということは誕生日もはっきりしてるはずなのだけど、
血統書が行方不明で、
Nさんの記憶も曖昧だったために、
白木の誕生日と年齢は「暫定」なのであります。
一応、今年で12才。9月1日生まれ、ということにしてる。
一年ぐらい前後してるかも。

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首の毛がボサボサしてるのは、
「顔まわりを触られるのはイヤに違いない」と思い込んでいたので、
ブラッシングをしてあげなかったから。
みなさんご存知のように、
猫は、顔まわりを触られるのが大好き。
そんなことさえ知らずに白木を迎えたのでした。



[白木の病気]
ウチに来る前から「よく吐く」ということは聞いていた。
いじめによるストレスなんじゃないか…と思っていた(願っていた)。
近所の病院に行って、
半年ほどあれこれ薬を試してみても改善されず、
最終的に2010年1月に
大きい病院で内視鏡検査をした結果
悪性リンパ腫(消化器型/高分化型)であることが判明。
「目標2年でがんばりましょう」と言われた。
そこから抗がん剤を服用するようになり、闘病生活が始まった。

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「腹毛をそられました」


[白木の闘病]
抗がん剤、というとものすごい副作用を想像される人が多いと思うけれど、
獣医さんが言うには、
猫は人のような激しい副作用はでにくいとのこと。
(副作用がでる子は全体の20%ぐらい、だそうだ)
白木も副作用はなく、順調に回復して、
吐きもおさまり、食欲も出てきた。
よかった、よかった・・・のはずだったのだけれど。

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「!?」


一種類目の抗がん剤が段々効かなくなり、
初夏ぐらいから再び吐きはじめ、
検査の結果、再発が認められた。
8月12日に初めて二種類目の抗がん剤投与し、
再び復調のきざし。
三回目の投与をしようとしたところで
白血球の数値が壊滅的なことが発覚。
(白血球数:正常値5,000〜19,500のところ、白木は130)

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8月12日、病院から帰って来た後の白木


当然のことながら、抗がん剤の投与は中止。
そこから、毎日通院して検査と治療。
8日間続けても正常値に戻らず、
3日置きぐらいの通院に変更しつつ検査と治療を続行。
数値が戻ったのは9月23日。
白木は体力的に、
わたしは金銭的に辛い日々だった。。。

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9月23日の白木。病院にて。


数値が戻ったあと、
抗がん剤治療を再開するかどうかで随分迷った。
白木はウチに来てからずっと
薬を飲まされるという嫌な目にあい続けていて、
心からのんびりしたことが無いのではないか。
どうせ死んじゃうなら、
薬もなにもないゆるやかな毎日を過ごさせてあげたい、、、
と思い、抗がん剤を止めた。
再発したら、その時にまた考えようということで。

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白木本猫に悲壮感がなかったのが救い


今も、二ヶ月に一度通院してるのだけど、
先生もびっくりするぐらい、再発しない。
もう丸3年、抗がん剤無しで生きてる白木。

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「生きてます」


「リンパ腫です」と告知された時は泣いた。
毎日毎日、白木が怯えるぐらいに泣いた。
でもある時
「白木は今はまだ生きてる」
という当たり前のことに気づいた。
生きてる白木を前にして
白木が死んだ時のことを考えて泣いてるなんて
時間の無駄だし、なにより生きてる白木に失礼だ、と思った。
生きてる今を大切に過ごそう、と。

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「よろしく」


それで今に至る。

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「寛容になりました」


リンパ腫のほうは落ち着いてるけど、
昨年の9月には、
いきなりALT(肝細胞)数値が急上昇して点滴通院。
原因は不明。

そして今年の春頃には、
食道機能が低下してることが判明。
食道の動きが鈍くなってるために
食べた物が胃袋まで到達せず食道に残ってしまい
食後に吐いてしまうように。
対策としては、「立ってたべさせる」しかないんだそうだ。
(巨大食道症/食道拡張症についてはコチラ→

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「立ち食いしてます」


そして食後は出来るだけ体を縦にする。

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「Twitterでおなじみのこの写真」


このポーズは
遊びでやってるわけではなくて、「食後の起立」。
ベッドのふちにつかまって立たせ
わたしが後ろから支えてる状態。
5分ほどこうやってれば、白木の場合はほぼ大丈夫。
中には食後に1時間近く立っていないと吐いてしまうコもいるそう。
治る病気ではないので、
今後も立ち食いと食後の起立は必須な白木。

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「吸う必要はまったく無い」


そんな病弱で病気がちの白木ではあるのだけど、
丸顔でムチムチしてるのでまったく同情されない。

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「同情なんて要らないぜ」


消化器型のリンパ腫というと、
食べた物を吐いてしまい、栄養が取れず、
やせ細って死んでいく……というのが定番なのに、
白木はムクムクと太っていって、
今は5kg超えることも。

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「こう見えても小食です」


再発のことを考えたら
「贅肉貯金」はとても大切なんだそうだ。
だからいいんですって。

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「先生が言ってるんだから、ほんと」


あとね、白木はデブじゃないですから。
小太りですから。こ・ぶ・と・り♡

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太り過ぎではないけど、ムギュりすぎ

ということで
白木の紹介はこんな感じで大丈夫でしょうかね。
なるべく短く、と思ったのだけど、
けっこう長くなってしまい失礼しました。

==

いま、自分ちの猫がリンパ腫で、
毎日泣いて過ごしている飼い主さんの気持ちが、
白木のこの丸顔で少しでも癒せたらいいな〜と思う。

リンパ腫治療のことは
2010年9月30日のブログ にまとめてあります。
治療法や投薬方法はお医者さんによって違うと思うので
参考になるかどうかわかりませんが、
よかったら見てみてください。

(追記)
消化器型リンパ腫の症状として嘔吐していた時と、
食道機能低下により吐出(としゅつ)していた時とは
あきらかに吐き方が違います。

嘔吐は胃から。腹部を波立たせてオエオエっと苦しそうにしてから吐きます。
毛玉を吐く時もこのパターンだと思います。
「猫は吐く生き物だから」と楽観視せず、
どのぐらいの頻度でどのような時にどのような形状のものを吐いてるのかを
細かくチェックしてお医者さんに相談する必要があると思います。

吐出は、喉から。なんの前触れもなく、ゲッと一発吐きします。
食べ物の形がそのまま残っています。
白木はたまに、白いトロっとしたカタマリ(唾液などが固まったものだそうです)を吐出してました。
苦しそうではないから心配ないのかなーと思っていたけれど、
そうでもなさそう。
まずは食事台の位置を高くするなどして様子を見るといいかと思います。
posted by inukaki at 19:25| カテゴリ無し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする