2014年02月08日

飯舘村レポート:チーム赤銀

2月4日の朝、病院に白木を預けた。
先週月曜から食事量が減ってきて、
どうも口(歯)に問題があるようなので
金曜に病院へ。検査の結果、抜歯をすることになったのだ。
4日に抜歯、5日は病院で過ごし、6日の朝に迎えに行く予定。
白木の歯に関する件は、また後日。

白木の抜歯手術が無事終了の報告を病院からうけて、
一安心した4日の深夜、
正確には5日の超早朝、チーム銀次が浅草のエフに集合。
今回は車二台。1チームは泊まりがけで犬猫牛、
もう1チームは日帰りで犬猫。

浅草 銀次親分日記で犬と猫とヒト1〜4を読んだ時、
「わたしには無理」と思った。
運転免許のないわたしは、現実的な意味でも行かれないんだけど、
例え免許を持っていたとしても、気持ち的に無理だと思ったのだった。
辛すぎるから。
可哀想すぎるから。
見てられないから。

でも、何度も飯舘へ通うIzumiさんの
犬猫給餌レポートを読むごとに
気持ちが変わっていった。

給餌ボラをする人達は特別に心が強いわけではなく、
みんなみんな心が折れる思いをしている。
当然のことながら、みなさん仕事をしているので忙しいし、
お金持ちってわけでもない。(失礼)
だとしたら「あの犬猫達を見るのが辛い」「可哀想すぎて無理」
「忙しくて時間がない」「お金に余裕がない」というのは
なんの理由にもならないのではないか、と思った。
ボランティアをやってる人たちは、きっと、
「行かない(行けない)理由」「出来ない(やらない)理由」を考えないのだろう。
「行く理由」「やる理由」で動いてるように思う。
だって、行かない(行けない)理由なんて、
だれでも幾らでももってるから。

決定的だったのは、
2013年12月11日の銀次親分日記、「冬の犬1〜4」
主に犬給餌&散歩の記録を読んで、
ただ単純に「わたしも犬にまみれたい!」と思ったのだ。
意外かもしれないが、わたしは犬が大好きなのだ。
でも、まわりに犬を飼ってる人がいなくて、
白木も猫なので、
長い間、自分的に犬が不足していた。
飯舘では“人が不足してる犬”がたくさんいるらしい。
需要と供給。まさにこれだ。
行きたい!

そう思った時に
Izumiさんからチーム銀次が2月に飯舘へ行く、というのをお聞きした。
今回は車が二台出るということで、
空きがあったらぜひ行きたい、とお願いしたのだった。

と、まぁこれがわたしが今回飯舘村へ行くことになった経緯。


では、当日のことを。
集合場所の浅草の寒さにへこたれていたけれど
飯舘はもっと寒かった。あたりまえだ。
雪が積もっていたし、スタート時は降ってもいた。
風も強く冷たかった。

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一緒に巡ったチーム、通称:チーム赤銀は、わたし含めて4名。
うち3名が運転出来る人(わたしだけ無免許)だったので
運転に関しては余裕の人員。
ありがたい。
っていうか心苦しい。

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何度か飯舘に通っている豆川さんとまどかちゃんが
交代で運転&ナビ。
タブレットの地図と合わせて、風景の記憶もかなり重要っぽい。
「この道、通った気がする…」
「この橋、見たような気がする…」
大抵、え?ここを入るの?的な
道とは思えない道をぐいぐい入っていくと家がある。

一軒目。
猫2匹の情報だけど、姿を見たのは一匹。
こんな日に外の木陰にうずくまっているのだから
屋内に入れない環境なのだろう。
寒いよね。雪、冷たいよね。
早く春がきますように。

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二軒目。
猫複数の情報。でも姿なし。
小屋の中にご飯をおいたら、
小さな穴からうつぼみたいに
猫がにゅっと出て来てご飯を食べてくれた。

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めやにがいっぱいついていて、猫風邪っぽい。


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上の写真はIzumiさんが1月21日行った時に撮ったもの。
同じコ? こんなに丸顔だったの?
やっぱり風邪で弱ってるのかな・・・。

たかが風邪、されど風邪。
今のこの状況では命取りだ。
ご飯をいっぱいたべて、体力回復して、
どうか風邪が治りますように。


三軒目は猫の姿無し。


四軒目は、家の人が帰宅していた。
毎日戻ってきているそうで、良かった。
猫の名前は、よしみちゃん。ぷぷ。


五軒目は、猫二匹。
家の中に入れるようになっていたし、
水も出しっ放しになっていたから
飯舘村の犬猫の中では良い環境なのだろう。

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体の大きいクルッポ(仮名)


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すみだ(仮名)も風邪をひいてるようす


六軒目は、Izumiさんが仲良くなった
びびりっこの犬のチビ。
4人もの人間がどかどかとやってきたら、そりゃ怖いよね。
どんなに優しく声をかけたった
どんなにおやつをくれたって怖い。
警戒吠えが止まらない。あたりまえだ。
でも攻撃性はない。
そういえば、攻撃性のある子は今回ひとりもいなかった。
みな、警戒吠えだ。
「来ないで!」と叫んでいる。
豆川さんとまどかちゃんが7、8軒目のお家へ移動、
山田くんが見えないところで餌や水の準備(チビは男性を怖がる)。
そしたらチビも段々落ち着いてきて、
「じゃあお散歩行く」(byチビ)と言ってくれたのでGO!
うわーーーーーん、感激の犬の散歩。嬉し泣き(わたしが)。

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ずぼっ


散歩はだいたい10分ぐらいで、と言われていたけど
10分なんてあっという間で、
でも戻るのもしのびなく、
もうちょっと、、もうちょっと、、、と思ってるうちに時間が。。
ごめんチビ、戻らなくちゃ、と声をかけUターン。
遠くに見える山田くんの姿に足を止めてしっぽを収納。
「あれは山田くんだよ。ご飯の用意してくれた人だよ。やさしいよ」
と説明すると、ゆっくりしっぽを戻して歩きはじめた。
落ち着いてる犬は人の話を聞いてくれるものなのだ。
(ココ飯舘で落ち着いてる犬に出会う可能性は低いと思われるが…)
途中で山田くんにリードを持ってもらったけど、チビは怖がらなかった。

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しっぽも上がって楽しそうにお散歩


そこからまた10分ぐらい散歩して帰宅。
帰宅したとたんに、ササミガムをもってハウスへ引きこもり。
散歩後って水とか飯とかじゃないのか?

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チビは結構不思議ちゃんね。


豆川さん、まどかちゃんが7、8軒目から戻って来て、
また4人で9軒目。
ここの猫さんは、家の中に入れるコ達で良かった。
それでも一匹は入院したそうで、
もう一匹は姿を見なくなったということだ。
安全というわけではない。
ココに安全な居場所なんてないんだろうけど。

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通称;白タヌ。本来は美猫だと思われる。


10軒目。
ポインター、と書いてあったけど?

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アイラインバッチリ。ちょっとクルエラっぽい(101匹わんちゃんに出て来る女)。


比較的友好的で、お散歩も行かれそうな感じだったけど
「びびりで散歩不可」という情報だったので、無理せず給餌だけ。
今度は散歩行けるかな?


11軒目はこちらの弾丸犬:“やま”と“かわ”の2頭。

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フォルム的にはコーギーっぽいけど大きさが全然違う。


雪と氷で開かなくなった門を
豆川さんとまどかちゃんが必死で開けてくれるのを待ち、
弾丸のように飛び出す2頭。
わたしは“かわ”のリード持ちを。
(最初“やま”だったけど、若干“かわ”のほうが小柄だったので
山田くんと交換してもらったのだった)
すっごい引き!しかも下り坂&雪!
けど“かわ”はハーネスタイプだったので、
リードコントロールがしやすかった。(←コントロール出来たわけじゃないけど)
なんとか転ばずに散歩完了。
この引きの強さ、グイグイ行く感じ、なんか懐かしいよ・・・。


12軒目は猫の給餌。
ちらりと姿を見たぐらいで
みな、どこかに身を隠してる。
人間が去ったあと、すぐにご飯を食べてくれますように。


13軒目はワンコ。
放牧してるから散歩は無しでよくて、ご飯だけ。

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たぶんこのコだったと思う。


放牧犬(放たれてるコ)が結構居ると聞いた時は
正直、それはあまり良くないのでは…と思った。
でも、野生動物の襲撃で怪我したコや命を落としたコの話を聞くと、
リードに繋がれてることの危なさもわかる。
自由に動ければ逃げることも出来るから。
放つかどうか、その選択は難しいとこだけど。


14軒目は犬二匹って書いてあったけど、あれ?3引き?!
車を降りると二匹は姿を消して、
一匹の鼻黒犬が警戒吠えを続けた。
このコがここの家のコかな。


15軒目は小春ちゃんの家。
小春ちゃんは、銀次親分日記の「冬の猫3:保護猫」に登場したコ。
残念ながら回復することなくお空へ旅立った。

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大蔵のはやま湖を背景に、小春ちゃんコケシ。(撮影:Izumiさん)


春を迎えられなかった小春ちゃん、
せめてコケシの中だけでも春を迎えてほしいと思った。
哀しいままにしておきたくなくなかったから。
かわいい頭巾はあやこ隊長が編んでくれた。あったかいね。

小春ちゃん家には他にも猫がいるので、ご飯の用意。
寂しくて寄って来るコ、怖くて姿を隠すコ。
みんなみんな、人間が去ったら
凍る前にご飯食べてね。


16軒目は犬二匹。
一匹は放牧、一匹は繋がれてた。
どちらもコロコロ太り過ぎ。
普通なら「食べ過ぎ〜!」「ご飯もらい過ぎ〜!」
と言うところだろうけども。
この村のコ達は贅沢しすぎて太っているわけではない。
原因は運動不足。
そして、ご飯はもらえる時にドカ食い。
そんなの不健康に太るに決まってる。
太ってる=ご飯をいっぱいもらって満足してる、では無いのだ。


ここまで午前中・・・のはずが
だいぶ過ぎてしまって、3時ぐらいだったかな。
記憶が無い。
お昼ご飯とトイレ休憩でちょっと一息。
でも、なにせ時間が押してるのですぐに次。


17軒目は犬4頭。
雪はやんでいたけれど、
風がもンのすごくて
つもった雪が風でふきあげられてブリザードのよう。

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そんな中、繋がれた長毛犬たちがウォンウォン吠えている。
この光景、映画『南極物語』で見た気がする。

二匹は人恋しくてたまらんコ。

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二匹は人が怖いコ。

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ヒトコイシチーム二匹は先に散歩。
ヒトコワイチームは居残り。
南極犬ジロに似てる黒いコは、
散歩に行ったヒトコイシチームが羨ましくて鳴いてた。
散歩から戻った豆川さんは
ジロ似のコも、手前の大型ビビリのコも
触ることが出来た。

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時間をかければ、ジロ似は散歩に行ける気がする。
大型ビビリはもっともっと時間をかければ「行けそう」と
豆川さんが言ってた。
でも時間がかけられない現状。無念。
最低限のことをして次に行かないと日が暮れてしまう。

日頃犬猫保護活動をしてるかたのブログをよく拝見していて思うこと。
愛護センターに行って、命の期限が迫ってる子が何匹もいて
その中からたった一匹を選ばなくてはいけない、
自分が引き出したコ以外の、残りの数十頭は死んでしまう、
一匹助けられたことよりも、
その他の何十匹を救えなかったことの罪悪感を、
多くの引き出しボランティアのかたが感じている。

猫のTNRをしてる人は、
「Rが一番辛い」とブログに書いていた。
R、つまりリターン。
避妊去勢手術をした外猫をまた元居た場所へ戻すこと。
こんなに寒い(暑い)のに、再び外に戻さなくてはならない、
それが一番辛いんだ、と。

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話がそれてしまったけど。

実際やってみると、
想像していたこと以外に辛いことがあるものだ。

嬉しそうに走るコといつまでも散歩していたい。
でもすぐに戻らなくてはいけない。
撫でて撫でてと言うコに
「じゃあもう行くね」って言わなくちゃいけない。

例えばそんなこと。

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心を鬼にする、ってこういう時に使う言葉なんだろうか。


18軒目。犬。
警戒吠え。
散歩は行けなかった。

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19軒目。
脱走犬チロ。
脱走したのは一度だけなんだけど、
きっとずっと言われるよ、「あの脱走犬ね」って。
脱走の様子

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山田くんが散歩。


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裏の犬は居なかった。


散歩から帰った山田くんが
「少し痩せた気がする」と言っていた。
散歩不足と不規則な食事で太ってしまうコもいれば
痩せてしまうコもいる。
どちらも心配だけど
この寒い季節、どうせなら太ってほしい。

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まどかちゃんとお話中の脱走犬チロ。


20軒目。
警戒吠え。給餌だけ。
ごめんね、怖いよね。

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21軒目。
ヒトが怖くて仕方ない2匹。
一匹は老犬で目も見えない様子。
ぐるぐるまわってて、脳の障害があるのかな。
もう一匹はリードの長さギリギリのところまで行って
ひっそりと気配を消していた。気の毒なくらいに。
こんなコたち、野生動物が襲ってきたらひとたまりも無い。
どうかどうかどうか無事で。


22軒目。
ちょっと記憶が欠如・・・。


23軒目。
噂の爆走犬メイちゃんは山田くんにお任せ。
街灯もない真っ暗な凍った坂道を駆け降りていく山田くん。
後で聞いたら、途中で転んだそうだ。
お疲れさま。
わたしもメイちゃんとお散歩してみたい、
道が凍ってない時に。

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猫さんも居た。
お家の中に入れるみたいで良かった。


24軒目。
メイちゃんの家から見えるところで警戒吠えのコ。
給餌のみ。
後でまどかちゃんが野菜を持っていったら
美味しそうに食べたそうだ。

そう、今回は、「犬たちが野菜不足で便秘気味なのでは?」
ということで、生野菜や茹野菜なども持参。
予想外に不人気だったけど、
最後に好評を得た様子で良かった良かった。

そして、
もう1チーム:チーム青銀が最後に給餌&散歩した犬4匹の家で合流。
デカ犬2匹と、三本足の犬一匹。
みんなフレンドリーでおだやか。
でももう一匹のコは引きこもりで心を閉ざしてるそうだ。
そのコは里親募集中なのだそうだけど・・・・。

ここで解散。
4名は明日明後日ときぼうの牧場で牛活動。
3名は東京へ帰宅。わたしはコチラ。

牛のみなさまの健闘を祈る。

帰りは山田くんが東京まで運転。
休憩も一回だけ、という強行。
すみません、助手席で寝てしまいました・・・・。

浅草からは上村さんの運転で、
すみません、家の前まで送ってもらいました・・・・。
まさかのドア ツー ドア飯舘村。

とても一日とは思えない一日、
2月5日が終了。


これを書いてる今日、2月8日の東京は雪。

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飯舘も降ってるのかな、と思わずにはいられない。
大雪が降ったら、ボランティアも行かれないんじゃないだろうか。
お家の人も来れないかもしれない。

「いつまで耐えたらいいのですか?」
と犬猫たちに聞かれても、答えることが出来ない。

なぜ3年間もこのままなのか、
なぜ飯舘村の仮設住宅はペット可に出来ないのか、
なぜ、なぜ、なぜ、…と思うことはいっぱいあるけれど。

ごめんなさい。



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通称:チーム青銀で飯舘村をまわり、
翌日、翌々日は希望の牧場で牛のお世話をし、
再び飯舘で犬猫給餌をしたIzumiさんの
銀次親分日記も近々アップされるはず。
きっとすごいボリュームで。
お楽しみに!

posted by inukaki at 17:08| カテゴリ無し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする