2014年12月14日

Orgel ーオルゴールが奏でる16の物語ー

Orgel ーオルゴールが奏でる16の物語ーが始まります。
GALLERY HOUSE MAYA
2014年12月15日(月)〜12月23日(火/祝)
会期中無休
11:30am-7:00pm(土,日曜,最終日は5:00pmまで)

オルゴールの曲を決めるのは作家本人。
この小さな木製の箱を「夜の小箱」にしたいと思った。
星か月がいいなぁ・・・

わたしは「ムーンリバー」を選んだ。

描くお花は夜顔。
夜に咲く白い花。
それから、夜顔の花の色と同じ
白いドレスを着た女の子、
湖面に浮かぶ水色のボート、
空には小さな三日月。
そして猫。

b-1490.jpg

猫は、飯舘村にいる通称「長泥ゲート前のお母さん」。
わたしは彼女に会ったことがないのだけど、
ボランティアの日比さんが綴るブログ(☆)などで
何度か見ている。
用心深い瞳。
なにもかも見透かされてるような気持ちなる。

なぜ「お母さん」と呼ばれてるかと言うと、
仔猫を育てていたから。
仔猫とお母さんは、ボランティアさん達に捕獲された。
お母さんは避妊手術をして元居た場所に戻され、
仔猫3匹は里親募集をすることになった。
(みんな無事にお家が決まりました)

仔猫保護とお母さん猫リターンのことは
福猫舎ブログに書いてあります→(☆)

お母さんも一緒に保護してあげればいいのに……
と思う人もいるかもしれないが、
シェルターのスペースや
預かれるボランティアの数には限りがある。
外でもなんとか生きていける体力のある大人猫は
元居た場所に戻して、
そのコの生命力に頼るしかないのだ。

リリースした時、
お母さんはAさんにたちむかってきたそうだ。
「子どもを返せ!」
と言いたかったのだろう。

「人間なんか嫌いだ」

そう思われても仕方ない。
けれど、彼女はとても賢いのだろう。
彼女のことを心配しているボランティアさんが
こまめに給餌に通っている。
寄ってくるほど心を許してるわけじゃないけど、
ちょっと離れたところからじっと見ているらしい。
「アンタ達のせいじゃない。
でも人間は嫌い。」
そう言ってるみたいに見えて切ない。

写真で見る彼女は、月の色をしてる。

オルゴールと一緒に展示する絵は
「月色の猫」という絵。
お母さんと仔猫三匹を描いた。
お母さん、仔猫達はみんな幸せに暮らしてるよ、
そう思いながら、
お母さんへの伝言のような気持ちで描いた。

b-1491.jpg




もう一枚の絵は「チビの船」。
チビはボランティアみんなの人気者だ。
なんだか不思議な顔をしてる。
チビは飼い猫だけど、
もう一匹黒猫が居つくようになって、
このふたりがものすごく仲良しなのだ。
居つきの猫は「千夜ちゃん」という仮名をつけた。

チビの家にいくと、
「おぅ!よく来たな。ま、茶でも飲んでいきなよ」
と言われてるみたいな気になる。
「ここオレん家。いいとこだろ」

そんなチビの家のまわりも
除染作業が入ってすっかりさまがわりしてしまった。
チビと千夜ちゃんが遊んでいた草原には
一本の草も生えていない。
ただの更地。

チビは獣がやってきても逃げないみたいで、
戦ってしまう気の強さが心配。
だって獣はチビより強いから。
獣を追い払ってくれるヒトはここには居ないから。
千夜ちゃんを連れて、全力で逃げて欲しいのに…。

チビと千夜ちゃんが安心出来る場所をあげたい、
そう思いながら描いた。

b-1489.jpg
※スペースの関係上、絵の展示は一点だけになるかもしれません



16個の音の小箱が並びます。
師走の慌ただしい時ですが、
オルゴールの、ちょっとたどたどしい音色に
耳をかたむけていただけたら幸いです。

参加作家(敬称略)
東逸子 石川えりこ 軽部武宏 北見葉胡 くまあやこ こみねゆら ささめやゆき 篠崎三朗 野村辰寿 原マスミ 樋上公実子 深瀬優子 町田尚子 松成真理子 山福朱実 吉田尚令

posted by inukaki at 20:31| カテゴリ無し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする