2012年07月05日

『逢魔が時のものがたり』

装画と挿絵(モノクロ)を担当した
児童書『逢魔が時のものがたり』(巣山ひろみ/著 学研教育出版)の見本が届く。
今回の本も表1(表紙)から表4(裏表紙)につながる一枚の絵。
なぜかわからないけれど、わたしが担当する本はこのタイプが多い。
ちなみに、だからと言ってギャラが2倍になったりすることはありません。

実は、去年あたりにやっていた児童書が結構辛くて、
文字校正のような修正指示があたりまえのように飛んで来て、
「添削指導ですか?」と思うほど。
かなりげんなりうんざりしていたわたしに
「このぐらい普通ですよ」と担当編集者さん。
そうなのかー、
児童書がこういうものならばわたしはもう・・・・と思った。

なので今回のお仕事をいただいた時も
ちょっと構えていたのだけど、
終わってみれば、その心配は無用だった。
表紙絵は、スタート時こそ難航したけれど、
そのあとは全然スルーっと描くことが出来た。
中の挿絵のほうも好きなように描かせていただけて、
修正も無し。
懐の深い担当Yさん。ありがとうございます。
こんなに楽しいのなら、
もっと児童書やりたいわ〜、と思う(ゲンキンですな)。

著者の巣山さんからは、何度かあたたかいメールをいただいた。
“挿絵というものは、文章に書きたくても書ききれなかったところまで
表現してくれるものなのですね”
というようなことが書いてあって感動。
だってだって、「書いてあることと違うから描きなおしてください」
って言う人がいるから。
わたしは具体的に文章に書いてあるモノではないモノを描く。
文章はわたしが具体的に絵に描かないモノを表現する。
その幾つもの重なりがあってこそ、だとわたしも思う。
巣山さんが、同じように考えていてくださったのが嬉しい。

描かせてもらえてよかった、と思える本が一冊増えた。
しあわせだ。

『逢魔が時のものがたり』
(巣山ひろみ/著 学研教育出版 1,260円税込)

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posted by inukaki at 20:00| カテゴリ無し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする