2015年06月21日

個展poeticallyについて3


いよいよ明日から個展が始まります。
22日(月)〜27日(土)まで。
11:30 - 19:00
最終日が17:00までですのでご注意下さい。
ギャラリーハウスマヤ→
東京メトロ銀座線 外苑前駅



コケシの大きいサイズのコ。
2つ、描きました(間に合いました)。

絵本『さくらいろのりゅう』に
チラッと登場する猫を描いたネコケシです。



ひとつめは、茶トラさんです。

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モデルは、飯舘村に居たマメちゃんという
おじいにゃんです。

今年、怪我をしてボランティアに保護された後、
飼い主のおじいさんが
マメちゃんを手放すことを決心されました。
今は東京の里親さんのお家で
のんびりまったり幸せな余生を送っています。

マメちゃんが東京のお家に移動した日のことは
写真家上村雄高さんのブログに書かれています→ 

背面には黒猫さんが。

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これは、マメちゃんのお家に居着いた
流れ猫さんなので
マメちゃん的には嬉しくない相手ですけども
背面なので許してくれるかな〜。

頭の飾りはペンペン草です。

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しかし、、、
飼い主様の許可無く勝手に描いてしまって
よかったのかどうか……
すみません(とこんなところで謝ったりして)


もうひとつはコチラ。
ハチワレ猫さんです。

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sold

モデルは、同じく飯舘村に居たうたちゃんです。

うたちゃんも、飼い主さんが手放すことを決心されて、
ただいま東京で里親募集準備中です。

うたちゃんが東京に移動してきた日のことは
同じく上村さんのブログに書かれています→ 

コケシの背面はこちら。

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実はうたちゃん、震災後に仔猫を生みました。
そのコ達は全員上村さんに保護され
そのまま上村さん家のコになってます。
その中の一匹。
ちょっと適当に描きましたが…誰だろ。
(この猫は「おたべちゃん」だそうです/上村さんより)

頭の飾りは桜です。

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うたちゃんは、近々里親募集すると思います。
うたちゃんの家族になりたいかたは
上村さんのブログを要チェックです!


コケシの販売値段ですが、
毎回少しずつ値上げしてます。
スミマセン。
いろいろ辛いので・・・。



そして、オリジナル作品のほうですが。

事前にアップしなくてもいいんじゃないかな〜
とも思うのだけど、
ご購入を考えていらっしゃるかたが、
あらかじめ検討しておける、という意味で
アップしておくとよい、という説も。

逆に、
会場で見る楽しみがあるのだから
全部出さなくてもいいじゃない、という説も。

うーぬ。
どうしたらいいのかしら…。

ということで、
まとめてひとつの画像にしてみました。

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見せるけど、小さく
という解決方法(?)です。
あしからず。

それぞれの絵に
どんな短歌が寄り添ってくれるのかは
会場でのお楽しみ・・・と思っていただければ幸いです。


オリジナル作品とコケシの他には、
絵本『さくらいろのりゅう』の販売をします。
『あずきとぎ』も少しだけ。

作品集もあります。
そろそろ在庫が少なくなってきました。
とは言っても、年に数冊しか売れないので
まだもう少し大丈夫かな〜。
いつか買おう…と思って下さってるかたは
お早めにお買い求めいただければ…と思います。

新作てぬぐいは
「さくらいろの貝」柄です。

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ポストカードは
いつものラインナップにくわえて
新作2種類作りました。


そして、
今回、情報初公開!!
9月に開催予定の
あの原画展のチラシをお配りしています。
ぜひお持ち帰りください!!

あと、なにか言い忘れたことはあったかしら・・・

在廊予定は特に決めてません。
居たり居なかったりです。
ツイッターは外では見られません。
一応、家を出る前に「今から行きます」とか、
「今日は行きません」とかつぶやく予定です。
ツイッター →  


それでは、
うっとうしい梅雨の時季ではありますが、
お足元の悪い日が多いとは思いますが、
気が向いたらチラっと見にいらしていただけたら幸いです。

どうぞ宜しくお願い致します。

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posted by inukaki at 19:16| 展示 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月17日

個展poeticallyについて2


6月22日から始まる個展「poetically 」で
展示販売するコケシ達です。

今回は小さいコ。

絵本『さくらいろのりゅう』の
主人公 “コイシ”が好きそうな花たち
をテーマに描きました。


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集合写真
全員売約済みとなりました。ありがとうございます。



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左から、タンポポ、吾亦紅、スイカズラ



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スミレ、カタバミ、ヘビイチゴ、キツネノハナガサ



ちなみに、どのコもみんな
頭に虫を乗せてます。

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虫嫌いのかた、
どうぞご注意ください。
(わたしも大の虫嫌いですが、描くのは好きなので…)




大きさはこのぐらい。

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わかりずらい?

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わかりずらいですね・・・。



えっと、手のひらに乗るぐらいです。

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わたしの手の大きさは
「手が大きいね」とも「小さいね」とも
言われないぐらい
ごく一般的な成人女性の手のサイズだと思います。


大きいサイズのコケシも……
と思ってはいますが
間に合わないかもしれないです。。。


オリジナル作品(絵)のラインナップは
前日の21日(日)に
このブログで紹介できれば……
と思ってますが
力尽きるかもしれません。
すみません。



町田尚子個展
poetically

6月22日(月)〜27日(土)
11:30 - 19:00
※最終日は17:00まで

ギャラリーハウスマヤ 
東京都港区北青山2-10-26

[お願い]
お花やお菓子等の差し入れは遠慮させて頂きます。



“お花”のことに関して、
以前、某編集者のかたから
お問い合わせをいただいたことがありました。
「これは建前ですか?
それとも本当にご迷惑なのですか?」

えっと・・・
「迷惑です」というのもちょっと違う気がしますが、
建前で言ってるわけではないのは確かです。

どうぞ宜しくお願い致します。





posted by inukaki at 18:06| 展示 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月27日

個展poeticallyについて 1


個展をやります。

poetically

6月22日(月)〜27日(土)
ギャラリーハウスマヤ
11:30 - 19:00
最終日は17時迄です

東京都港区北青山2-10-26
東京メトロ銀座線 外苑前駅3番出口



2月に発売された
絵本『さくらいろのりゅう』(アリス館)の原画を、
全ページ展示する予定です。

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そして、オリジナル作品も
少しですが展示(販売も)します。



オリジナル作品を描くにあたり、
どんなテーマで描こうかなぁ……と思ったとき、
怪談雑誌『Mei(冥)』で連載していた
“つくよみ双紙”を思い出した。

歌人の佐藤弓生さんが
毎号3つの詩や短歌や俳句を選び、
それをもとに書かれた物語を読んで、
わたしが絵を描く、という連載。

で、

そうだ、
佐藤弓生さんの短歌を読んで
絵を描いてみよう〜・・・

と思った。



でも、描ける自信がなかったから、
まずはこっそり勝手に始てみることにした。



佐藤さんの歌集を手にいれようと検索したら、
なんだか高額になってたりして、
うぅーんどうしよう、
そうだ、Hさんなら持ってるかも、
と思って聞いてみた。

でも震災の時に部屋が崩壊(?)して以来
どの本がどこにあるかわからなくなってるそうで。

そうなんだー・・・
じゃあいいですー・・・
どうしようかなー・・・



そしたら。

Hさんが『薄い街』(佐藤弓生さんの歌集)
買って送ってくださったのだ。

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うわーーーー
ありがたいーーーー

ここまでしていただいたら
「やっぱり描けなかった…」
じゃすまされないと思い、
そこからピキっとスイッチが入った感じ。



いつもそうだけど、
「やってみようかなー」
ぐらいの感じだと
絶対にやらないのだ、わたしは。

絵本だって
「描けたら描こう」
「描けたらいいな」
と思ってても、いつまでもやらない。
『さくらいろのりゅう』は
編集Yさんが丁寧に根気よく
引っ張ってくれたおかげで
完成したのだ。



話を戻すと。

まずは、
ギャラリーが発送する「6月の展示DM」の中に
入れてもらわねばならないから、
とにもかくにもDMを作らないとならない。

でもDMって一番大切よね。

だってコレを見て
「あら、いい絵ね。見に行こうかしら」
と思ってもらえるか
「興味無いわー」
と思われるかが決まるんだから。



なので、
なんでもいいから…ってわけにはいかない。

本来ならなば
すべての作品の中から
一番良い絵をDMにしたいのだけど、
なにせ作品が全然出来てないのだ。

この時点ではまだ
「佐藤弓生さんの短歌で絵を描く」が
本当に出来るかどうかさえわからなかった。



イイ絵を描こうとするとろくなことはない。

全然イイ絵が描けない。
どうしよう。
焦る。

「絵本の原画展示だけでもいいですか?」
ってギャラリーの人に聞こうかな・・・

と思った頃に
ふと描けたのがこの絵だった。

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この絵を描いた日、
白木がわたしのことを舐めてくれた。

白木がわたしを舐めてくれたのは
実にその時が3回目。
約6年の間にたったの3回しかなない
すごくすごーーーーく貴重なことなのだ。

しかも、その前の2回というのは、
わたしが窮地に追い込まれ
「こんなのってヒドイと思わない?」
と白木にグチった時だった。



わたしが泣いてると、
寄り添うどころか
逆に距離をとって
いつも以上に冷たい目で見る白木が、だ。



ホントにホントにほんとーに弱っていて
しかもその理由が正当だった場合にのみ
舐めてくれるのだな、きっと。



白木はわたしのことを
決して甘やかさない。
ほんの1〜2回舐めて終わり。
それ以上は舐めない。
どんなに懇願しても舐めない。
弱ったふりをしても舐めない。

そいういうヒトなのだ、白木は。

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その白木が舐めてくれたってことは(説明長過ぎ)
なにか意味があるはず。

今回の場合、その意味は
「その絵、イイじゃん。DMにすれば?」
だったに違いない、きっときっと。


ということで
この絵をDMにしたのだった。
ほんとの話(あるいは、どうでもいい話)

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この後、調子が出て来たようで
続けて何枚か作品が描けた。

「佐藤弓生さんの短歌で絵を描く企画」、
いける!
いこう!
と思ったので
ご本人にお手紙を書いた。

わたしの絵と
佐藤さんの短歌を
一緒に展示しても良いでしょうか…と。


ありがたいことに、
佐藤さんからOKのお返事をいただけた。

ということで、
今回のオリジナル作品のタイトルは
佐藤弓生さんの短歌です!
(なんという贅沢!)


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ちなみに。

DMの絵の短歌はコレです。

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(佐藤弓生歌集『薄い街』より/沖積舎)


佐藤弓生さんのファンの方に
どう思われるかはちょっとアレですけど、
わたしとしては
短歌が寄り添ってくれるおかげで
絵がグッッッと深く見える、
ような気がする。
ありがたい。



数はそんなに多くないけれど

ひっそり地味な絵ばかりだけれど、

獣が居る絵が多いけれど、

展示期間が短いけれど、

よかったら見にいらしてください。

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posted by inukaki at 20:37| 展示 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月13日

絵本 さくらいろのりゅう


絵本『さくらいろのりゅう』(アリス館)が
発売されました。

長い道のりだった・・・

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2011年、アリス館の編集Yさんのところへ
作品の持ち込みに行ったのは
震災の一ヶ月ほど前のことだった。
このころ、
本当になんにも仕事がなくて
いろんな人にお願いして
編集のかたを紹介していただき
持ち込みにまわっていたのだった。

東日本大震災がおきた翌月ぐらいに
岩崎書店のHさんのところへ持ち込みにいき、
運良く『いるの いないの』を描かせて頂き、
2012年に出版された。

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『いるの いないの』が話題になったので、
「これでどんどん仕事がくるね!」
なんていうまわりからの言葉とはうらはらに
新たな仕事依頼はまったくこなかった。

また何も仕事のない日が続いていた。

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そんな時
Yさんからメールが届いた。
『いるの いないの』を送ったことに対する
お礼のメールだった。

Yさんは、その時産休中とのことだった。
「職場復帰予定はまだ先なのだけど
打ち合わせなどは出来るので、
会ってお話しませんか?」

2012年4月、水道橋駅前のカフェで
Yさんにお会いした。

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「絵本」は描いてみたいかもしれないけれど(まだ曖昧)
でもお話は書けないし、書きたくもない」
と持ち込みの時にわたしが言っていたのを
覚えていて下さったYさんは、
「お話を書くことは一旦置いておきましょう」
「テーマみたいなものをひとつ決めて
そこからイメージした絵を何枚か描いてみましょう」
「何枚か絵がたまったところで
どなたかに文章を書いてもらうことも出来ますよ」
たしか、そのようなことを言われた気がする。

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絵ならいくらでも描ける。

テーマは「夜」(「夜にやりたいこと」だったっけかな…)

二ヶ月後ぐらいに会う約束をして、
その時までに絵を一枚描いて来る。

それを何度か繰り返した。

途中、個展があったり、
絵本『おばけにょうぼう』の制作に没頭したり、
「夜」の絵を描けない時期もしばらくあった。

「夜」をテーマにした絵は、結局3枚だけ描いた。
3枚目の絵を描き終えた時に
「あぁ、これではダメだ」と思った。

一枚づつの絵が完結しすぎていて
流れのある物語を受け付けない。

このまま描き続けていっても
「夜」というタイトルの個展は出来そうだけど
絵本は出来ないだろう・・・。
そのことをYさんに伝えた。

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暗礁に乗り上げる、とは
こういうことを言うのだろうか。

さて、どうするか。

時は既に2013年になっていて、
Yさんの産休はとっくにあけ、
お仕事復帰されていた。

「このまま止めてしまうのはいやです」
とYさんが言ってくださり、
また会ってお話することにした。

どういう話しの流れだったか忘れたけれど、
「龍の女の子のお話が描きたいです」
とわたしが言った。

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龍モデルを紙粘土で作りました


2012年の12月にギャラリーエフで聞いた
篠笛奏者のことさんの演奏がきっかけだった。
ことさんのアルバムタイトルは「龍の目醒め」。
ミュージックビデオの中のことさんは
赤い龍をイメージしたドレスを着ていた。
まるで龍の化身の少女のよう・・・。

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「龍の女の子」は描きたいけれど、
どうやって物語にしたらいいかわからない。
みんな、どうやって文章を書いているのだろう…。

その時、Yさんが、
某絵本作家の方がおっしゃった言葉を教えて下さった。
ある日Yさんが、
次々と魔法のようにお話をうみだす某先生に
「こんなにたくさんのお話、どうやって考えてるのですか?」
と聞いたそうだ。
するとその先生は
「ギュって考えてる」
と答えた、というのだ。

なぜか、
なぜだか、
その時に
「あぁ、そうか!ギュッと考えればいいんだ!」
と目からウロコが落ちた。
すごい秘密を教えてもらったような気持ちだった。

「一日数分でも構わないから
毎日必ず “龍の女の子” について考えてください」
とYさんからアドバイスをいただいた。

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なにかしながらチョロっと考えるのではなく、
その時はそのことだけを、
そう、それこそ「ギュッ」と考える。

次の日からさっそく実践した。

「龍の女の子」専用のクロッキー帳をつくった。
毎朝、ご飯を食べたあと、
窓辺のベッドで寝る白木(猫)の側に座って
クロッキー帳と鉛筆を握りしめて
ギュッと考えた。

ギュッと。

ギュッと。

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やがて、
「龍女の子」がどんどん変化していき、
「龍女の子」の物語が見えて来た。


まだ全然モヤのむこうにある
ぼんやりした「龍と女の子のはなし」を
口頭でYさんに聞いてもらった。

「いいと思います」

今思うと、全然良くなかったと思うけれど、
ともかく、
そこから「さくらいろのりゅう」はスタートした。

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次にYさんとお会いする時までに、
口頭で話しためちゃくちゃの話を
なんとか文章にまとめていった。
全然「絵本」を意識していない
ダラダラした長い文章だった。

文章を提出しては直し・・・・
それはそれは何回も繰り返した。

そのたびに話はどんどん変化していった。

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「そろそろラフを描いてみましょうか」
と言われるところまでやっとたどり着き、
まだまだ危うういテキストを元に
ラフを描いた。

そのラフを見たYさんが言った。
「絵はいいですね」
「でもこの絵とこの話(文章)は合わない」

うぅ・・・

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今度はこのラフをみながら
新しくお話(文体)を考えていったらどうか?
ということになった。

そこからがまた長かったように思う。

話が行き詰まったり、
ラフ(絵)が行き詰まったり。

どこかでモーゼの十戒みたいに
海が割れて道が開けたなんてことはなくて、
なんだかんだと
転んだり挫けたり匍匐前進したりしながら
「これで本番を描いてみましょう」
となったのじゃなかったか・・・。

実際、本番を描き始めてからも、
もたもたするページ展開が発覚したり、
テキストを変えることで
せっかく描いた絵がボツになったり、
もう一生終わらないんじゃなかろうか…
と思うこともあったようななかったような・・・。
(いえ、ありました・・・)

おかげさまで完成しました。
ホッ。

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デザインは、
『ドラゴンキーパー』(金の星社)
『おばけにょうぼう』(イースト・プレス)
デザインをやっていただいた椎名麻美さん。
これを言うとまた
「そんなとこ?!」と言われそうだけど、
わたしは椎名さんの「色校正」を信頼してます。
今回も良い色に仕上がりました。

そして、
長く長く長〜くお付き合い(ご指導)くださった
Yさんに感謝感謝。
あの時生まれたばかりのお子様は
もう3歳6ヶ月・・・。

時がたつのは早いですな・・・。

そんなわけで
『さくらいろのりゅう』、
無事に発売されてます。
これと言った話題性もなく、
とっても地味な絵本ですけれど、
どこかで目にすることがあったら
読んでみてください。

宜しくお願い致します。


posted by inukaki at 19:07| 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月14日

Orgel ーオルゴールが奏でる16の物語ー

Orgel ーオルゴールが奏でる16の物語ーが始まります。
GALLERY HOUSE MAYA
2014年12月15日(月)〜12月23日(火/祝)
会期中無休
11:30am-7:00pm(土,日曜,最終日は5:00pmまで)

オルゴールの曲を決めるのは作家本人。
この小さな木製の箱を「夜の小箱」にしたいと思った。
星か月がいいなぁ・・・

わたしは「ムーンリバー」を選んだ。

描くお花は夜顔。
夜に咲く白い花。
それから、夜顔の花の色と同じ
白いドレスを着た女の子、
湖面に浮かぶ水色のボート、
空には小さな三日月。
そして猫。

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猫は、飯舘村にいる通称「長泥ゲート前のお母さん」。
わたしは彼女に会ったことがないのだけど、
ボランティアの日比さんが綴るブログ(☆)などで
何度か見ている。
用心深い瞳。
なにもかも見透かされてるような気持ちなる。

なぜ「お母さん」と呼ばれてるかと言うと、
仔猫を育てていたから。
仔猫とお母さんは、ボランティアさん達に捕獲された。
お母さんは避妊手術をして元居た場所に戻され、
仔猫3匹は里親募集をすることになった。
(みんな無事にお家が決まりました)

仔猫保護とお母さん猫リターンのことは
福猫舎ブログに書いてあります→(☆)

お母さんも一緒に保護してあげればいいのに……
と思う人もいるかもしれないが、
シェルターのスペースや
預かれるボランティアの数には限りがある。
外でもなんとか生きていける体力のある大人猫は
元居た場所に戻して、
そのコの生命力に頼るしかないのだ。

リリースした時、
お母さんはAさんにたちむかってきたそうだ。
「子どもを返せ!」
と言いたかったのだろう。

「人間なんか嫌いだ」

そう思われても仕方ない。
けれど、彼女はとても賢いのだろう。
彼女のことを心配しているボランティアさんが
こまめに給餌に通っている。
寄ってくるほど心を許してるわけじゃないけど、
ちょっと離れたところからじっと見ているらしい。
「アンタ達のせいじゃない。
でも人間は嫌い。」
そう言ってるみたいに見えて切ない。

写真で見る彼女は、月の色をしてる。

オルゴールと一緒に展示する絵は
「月色の猫」という絵。
お母さんと仔猫三匹を描いた。
お母さん、仔猫達はみんな幸せに暮らしてるよ、
そう思いながら、
お母さんへの伝言のような気持ちで描いた。

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もう一枚の絵は「チビの船」。
チビはボランティアみんなの人気者だ。
なんだか不思議な顔をしてる。
チビは飼い猫だけど、
もう一匹黒猫が居つくようになって、
このふたりがものすごく仲良しなのだ。
居つきの猫は「千夜ちゃん」という仮名をつけた。

チビの家にいくと、
「おぅ!よく来たな。ま、茶でも飲んでいきなよ」
と言われてるみたいな気になる。
「ここオレん家。いいとこだろ」

そんなチビの家のまわりも
除染作業が入ってすっかりさまがわりしてしまった。
チビと千夜ちゃんが遊んでいた草原には
一本の草も生えていない。
ただの更地。

チビは獣がやってきても逃げないみたいで、
戦ってしまう気の強さが心配。
だって獣はチビより強いから。
獣を追い払ってくれるヒトはここには居ないから。
千夜ちゃんを連れて、全力で逃げて欲しいのに…。

チビと千夜ちゃんが安心出来る場所をあげたい、
そう思いながら描いた。

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※スペースの関係上、絵の展示は一点だけになるかもしれません



16個の音の小箱が並びます。
師走の慌ただしい時ですが、
オルゴールの、ちょっとたどたどしい音色に
耳をかたむけていただけたら幸いです。

参加作家(敬称略)
東逸子 石川えりこ 軽部武宏 北見葉胡 くまあやこ こみねゆら ささめやゆき 篠崎三朗 野村辰寿 原マスミ 樋上公実子 深瀬優子 町田尚子 松成真理子 山福朱実 吉田尚令

posted by inukaki at 20:31| カテゴリ無し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする